原作は読みやすいですね。
山本って誰?で一気に読み進めて3時間くらいで読んでしまった。
で、映画も見に行きました。
映画版五十嵐さんが黒木華ちゃん。
正直、ネタ晴らしの場面ではけだるげに
「なんで気づかなかいのかなぁ…。犯人は私だよ。」って吐き捨ててもらいたかったんですが。
華ちゃん、こういう演技もうまいと思うの。
(幕が上がる の自画像の演技がそうだったので)
ただ、あそこで縋るように告白した五十嵐さん、
「私が悪いからあなたはやめる必要はない」
なんだか、隆の真意がまだ汲み取れていなかった。
また、息苦しい箱庭に取り残されてしまった感じ。
五十嵐さんはこれからもあの苦しい箱庭で苦しんでいくのかな。
原作の隆が「ひ、久しぶりやなぁ…俺や、ヤマモト」と高校生にいう場面とか、
青山がバイトしながらしっかり自分と見つめなおす情景とかがないとか
ちょっと思うところはあるけど、いい映画だったなって思います。
原作も映画も
苦しんで苦しんで悩んだ末の
「ちょっと今から仕事辞めてくる」
これを言ったときの未来への一歩、希望が開ける瞬間が好き。
隆のまぬけなスキップと、優しく見守るヤマモト。
バヌアツの空と狭いオフィス空間の対比から、
あの世界から勇気を出して抜け出せば、こんなに広く明るい世界が待ってるんだよって
思える。
会社を辞めるって収入がなくなることだし
次の保証がないことが先のすごく不安だし、
新しい世界がどうなるかわからないし
だけど、その世界がとても苦しいならいっそ飛び出しちゃえ、って思える話でした。
「簡単に逃げる」こととの判別が難しくて「これは単なる甘えか?」っていう思いも付きまとうんだけどね。